【2024年8月27日更新】

海外在住者の受け取る日本の年金は居住国によってかかる税金が違います。

租税条約

 海外在住者は、日本で得た収入に日本の所得税が課せられ、居住国でもそれらの収入に租税が課せられますが、このような二重課税を回避するため、日本国と他国との間で租税に関する条約(租税条約)を結んでいます。

 租税条約を締結している国に居住する場合に「租税条約に関する届出書」を提出することで、日本での所得税法は適用されずに、租税条約締結国である居住国でのみ課税されます。 

 「租税条約に関する届出書」を提出することにより、租税条約が適用になる実施機関は、年金機構と私学共済のみです。(国共済と地共済の支給する老齢厚生年金は租税条約の適用を受けないため提出は不要。)

 「年金の支払いを受ける者に関する事項」は実施機関により異なるため、共済組合等の加入期間を有する場合は、加入されていた共済組合等へご確認ください。

≪アメリカ在住者の所得税≫

 アメリカで居住している人が日本の年金を受給する場合には、日米租税条約に基づいてアメリカで課税対象となります。

 この取り扱いを受けるためには、「租税条約に関する届出書」のほか、「特典条項に関する付表」を一部提出する必要があります。

租税条約等締結国と課税について【令和5年1月現在】

項番相手国課税できる国課税方法所得税額備考











【租税条約等締結国】
・アイスランド
・カナダ
・スウェーデン
・タイ
・台湾
・デンマーク
・ドイツ
・ベルギー
・南アフリカ
・ロシア
日本










源泉徴収










各期の年金支給額から5万円(65歳以上は9.5万円に、支給額計算の基礎となった月数を乗じて得た額を控除した残額の20.42%)

「租税条約に関する届出書」の提出は不要













【租税条約等締結国】
項番1以外の国または地域
(73の国と地域)
相手国地域





相手国・地域の税法による




相手国・地域の税法による




「租税条約に関する届出書」の提出が必要
提出がない場合は課税









租税条約等締結国以外の国







 日本








源泉徴収








各期の年金支給額から5万円(65歳以上は9.5万円)に、支給額計算の基礎となった月数を乗じて得た額を控除した残額の20.42%「租税条約に関する届出書」の提出は不要








租税条約締結国以外の国

相手国地域


相手国・地域の税法による

相手国定期の税法による

「租税条約に関する届出書」の提出は不要
注) 台湾については国内法等により租税条約に相当する枠組みが構築されています。
注)所得税及び復興特別所得税の計算式 税額=(年金支給額‐控除額)×税率(20.42%)

※項番2の租税条約締結国(「租税条約に関する届出書」の提出があれば非課税となる国)

1.アイルランド2.アゼルバイジャン3.アメリカ4.アルメニア
5.イギリス6.イスラエル7.イタリア8.インド
9.インドネシア10.ウクライナ11.ウズベキスタン12.ウルグアイ
13.エクアドル14.エジプト15.エストニア16.オーストラリア
17.オーストリア18.オマーン19.オランダ20.カザフスタン
21.カタール22.韓国23.キルギス24.クウェート
25.クロアチア26.ケイマン諸島27.コロンビア28.サウジアラビア
29.ザンビア30.ジャージー31.ジャマイカ32.ジョージア
33.シンガポール34.スイス35.スペイン36.スリランカ
37.スロバキア38.スロベニア39.セルビア40.タジキスタン
41.チェコ42.中国43.チリ44.トルクメニスタン
45.トルコ46.ニュージーランド47.ノルウェー48.パキスタン
49.バハマ50.バミューダ51.ハンガリー52.バングラデシュ
53.フィジー54.フィリピン55.フィンランド56.ブラジル
57.フランス58.ブルガリア59.ブルネイ60.ベトナム
61.ベラルーシ62.ペルー63.ポーランド64.ポルトガル
65.香港66.マレーシア67.メキシコ68.モルドバ
69.モロッコ70.ラトビア71.リトアニア72.ルーマニア
73.ルクセンブルク
注) 中国にマカオは含まない。
注) アメリカには、プエルトリコ、バージン諸島、グアム、サイパン、マリアナ諸島、その他属地、準州は含まない。
注) アラブ首長国連邦は、租税条約を締結しているが、アラブ首長国連邦の税法上、同国内の基準に該当せず非課税となり、租税条約が適用されないことから、本表にあげていません。