【2024年9月16日更新】

海外に在住されている方々の年金についてよくあるご質問についてお答えします。

Q.海外在住が長いため、日本での納付月数が少ないですが老齢年金を受給できますか?

A.たとえ1月しか納付月数がなかったとしても日本の年金を納付できる可能性はあります。日本の年金は現在、少なくとも10年分の年金(納付・免除)の期間が必要ですが、海外在住の方々には「海外在住者の合算対象期間」や「相手国期間」をこの10年分の期間に含めることができるからです。詳細は「海外在住者の日本の年金受給を可能にする合算対象期間(カラ期間)と居住国の年金期間との通算」のページをご覧ください。ただし受給できる金額は実際に日本の年金を納付等されている期間に応じての金額となります。

Q.海外に在住していても遺族年金や障害年金を受け取れますか?

A.受給要件にあえば海外に在住されていても受給できます。詳細は「海外在住者の遺族年金請求」や「海外在住者の障害年金」のページをご覧ください。ただし、「20歳前に初診日がある障害基礎年金」は日本国内に居住していることが要件となっていますので海外在住の方は受給出来ません。日本国内で受給されていた場合でも日本を出国される際に受給を停止する手続きが必要になります。

Q.海外移住を考えていますが、いままでどおり年金を受け取れますか?

A.受け取っていただけます(20歳前に初診日のある障害基礎年金以外)。お手続きいただくことによって移住される先の国のご指定いただいた金融機関に振込することができるようになります。通貨の指定はできません(居住国によって決められています)。また、日本に残しておられる口座があるのであればそちらへの入金も可能です。ただし、受給されている年金が20歳前に初診日のある障害基礎年金だった場合は海外移住される際にお届いただき受給を停止していただく必要があります。

Q.年金加入記録の確認や受給申請にはどのくらいの時間がかかりますか?

A.年金事務所の窓口で年金記録を確認した際、年金の納付記録がご自身の記憶通りでなかった場合などは、「記録照会申出書」を提出することによって、日本年金機構が管理しているの古い年金記録を再度調べ直すことを依頼することができます。これは通常1カ月半ほどで調査が終わります。通知の送付は郵送で行われますが、到着までの日数は居住国の郵便の状況によります。当所でご依頼いただいた場合は郵送でご自宅に届くよりも先に結果をお知らせすることが可能です。

年金加入記録の確認と老齢年金の受給申請の場合は、先の記録照会申出書の調査に1カ月半、とあわせて老齢年金の審査に日本であれば入金までに通常は3カ月程度必要ですが、日本での受給の場合と違い、日本年金機構本部でも審査・処理がなされますのでその分時間を要することになります。また、日本年金機構本部で相手国期間を確認する場合であればさらに時間を要しますので、半年ほど若しくはそれ以上かかることになるとお考え下さい(遺族年金でも同様です。)。

また審査が終わり、ご指定いただいた金融機関へのお口座への入金までの送金手続きにも、幾日か時間を要します。初回の支払いに限り、奇数月にも入金処理が行われます。2回目以降の支払いは2か月に1回偶数月に行われます。偶数であっても奇数月であっても年金の支払日は毎月15日(土日祝日の関係で前後する場合があります。)前後が支払日になりますが、海外への送金処理は支払日当日になされます。ご自身のお口座への入金までにどのくらいのお時間がかかるかは居住されている国の状況によります。

Q.年金手帳をなくしてしまいましたが年金を受け取れますか?

A.ご自身の記録であることが確認できれば年金手帳がなくても受給手続きは問題なく行っていただけます。

Q.合算対象期間(カラ期間)とは何ですか?

A.合算対象期間は、主に「国民年金に任意加入しなかった期間」、「被保険者から除かれていた方(適用除外期間)」や「基礎年金拠出金の拠出対象とならなかった期間」と大きく3種類があります。

合算対象期間は、年金を受け取るために必要な保険料納付済期間や保険料免除期間だけでは受給資格期間(10年または25年)を満たせないときに、老齢基礎年金の年金額の計算の対象にはなりませんが、受給資格期間として計算される期間です。

Q.合算対象期間(カラ期間)はどのように確認しますか?

A.海外在住期間の合算対象期間を年金請求の際に届け出る場合は通常、戸籍の附票を添付書類として使います。この戸籍の附票とは、日本国内の住民票の異動が記されているものですので、海外に出国される際に住民票に届けておられることが確認できるからです。

住民票を異動せずに出国しておられた等戸籍の附票から実際の海外在住期間が確認できない場合は、出入国管理記録やパスポートの出入国記録を使用します。ただし、この2点は、海外在住の期間をすべて証明できない場合があります。

Q.年金は何年分まで遡って受給できますか?

A.年金の時効は5年ですので、それより前から年金の受給権があり、本来もらえるはずっだったとしても5年より前の分は原則受給出来ません。ただし、年金記録が新たに見つかった場合であれば、5年以上遡って受給することができます。この場合、5年以上前の分には支払い遅延したことによる加算金も加算されます。受給の際のご相談は是非当所までお寄せください。

Q.国籍を変更しましたが、今まで通り年金を受給できますか?

A.今まで通り受給できます。氏名等の変更があればお届が必要になります。

Q.日本の年金が在住している国の口座へ送金される際、受け取りまでの手数料は?

A.日本の公的年金(国民年金・厚生年金)の年金支払い銀行手数料は日本銀行が負担することとなっており、日本の送金元金融機関が年金から支払い銀行手数料を差し引くことはありません。ただし、在住しておられる国に年金が渡ってからはご自身の口座に入金されるまでにいくつかの金融機関を経由します。在住しておられる国の金融機関ではそれぞれ手数料がかかる可能性があります。どこでいくらの手数料がかかっているのかは個別に問い合わせていただく必要があります。

Q.海外に居住する場合、引き続き日本国内の金融機関で受け取れますか?

A.引き続き日本国内の金融機関で受け取ることができますが、郵便局はご指定いただけません。

Q.国内居住者が海外の金融機関で受け取ることはできますか?

A.できません。ただし、金融機関一覧等に記載された海外の金融機関の日本支店であれば受け取り可能です。

Q.居住国でない国の金融機関で受け取れますか?

A.居住国ごとに送金通貨が設定されているため、居住国内の金融機関の指定が必要となります。(日本国内の金融機関に口座があるのであればそちらには入金可能ですので居住されていなくても受け取りできます。)

【送金国別送金通貨一覧】

国名送金通貨
イギリスSTG PND(ポンド) 
オーストラリアAUSTL DLS
イタリア共和国EUR
オーストリアEUR
オランダEUR
アイルランドEUR
カナダCAN DLS
キューバEUR
ギリシャEUR
シンガポールS(シンガポール)DLS
スイスS(スイス)FR(フラン)
スウェーデンS(スウェーデン)KR(クローネ)
スペインEUR
朝鮮民主主義人民共和国YEN(円)
デンマークD.KR(クローネ)
ドイツEUR
ニュージーランドNZ.DLS
ノルウェーN.KR(クローネ)
フランスEUR
ベルギーEUR
ポルトガルEUR
フィンランドEUR
モナコ公国EUR
ルクセンブルグEUR
ミャンマーYEN(円)
スーダンSTG.PND(ポンド)
イランYEN(円)
上記以外の国US.DLS
※送金通貨については、国際情勢によって変更されることがあります。

Q.海外在住の未支給請求者は、国内の金融機関で受け取りができますか? 

 海外居住者に支給される未支給年金は、日本国内の金融機関に振り込みできないため、海外の金融機関を指定する必要があります。

※未支給請求とは、一定の範囲のご親族が亡くなられた際、ご遺族に、亡くなられた方の死亡月までの年金を一括でお受け取りいただく請求手続きです。

Q.海外の金融機関で受給する場合、日本円での送金はできますか?

A.年金受給者が希望する通貨による送金は行われていません。日本円を希望する場合は、日本国内の金融機関の指定が必要となります。

Q.外国通貨で年金を受け取る場合、いつのレートで計算されていますか?

A.送金日の午前のレートで計算されます。海外への送金は、年金支払日当日に送金手続きが行われます(送金処理に一定の日数を要します。)。基礎年金(国民年金)と厚生年金は別々に送金されますので、送金日が若干ずれることがあります。

Q.ブラジルの銀行で受け取る手続きをしましたが、記帳しても振込みが確認できないのはなぜですか?

 一部のブラジル銀行では、指定の口座に振り込まれず、窓口で本人確認を行ったうえで口座に入金されます。

 また、3カ月経過すると「受取人からの連絡なし」との理由で資金が返却されるため、速やかに窓口で確認してください。

Q.現況届とは何ですか?

A.現況届とは年に一度、お誕生月に受給者様のが生存確認をするための書類です。現在日本国内では、住民票の情報と日本年金機構の管理する年金記録の情報が結びついていれば、住民票で生存確認を行うようになっているため、お届をご提出いただくことは非常に少なくなりましたが、海外に在住されている場合は、お誕生月の前月末に日本年金機構から発送される現況届の様式に必要事項をご記入いただき、在留証明書(日本語訳が必要です。)を添付し、お誕生月の末日までに日本年金機構にご提出いただく必要があります。