【2024年10月13日更新】
70歳未満の方が会社に就職し厚生年金保険に加入した場合や、70歳以上の方が厚生年金保険の適用事業所にお勤めになった場合には、老齢厚生年金の額と給与や賞与の額(総報酬月額相当額)に応じて、年金の一部または全額が支給停止となる場合があります。これを「在職老齢年金」といいます。
在職老齢年金の計算方法
【基本月額】
加給年金額を除いた老齢厚生年金(報酬比例部分)の月額(※)
※特別支給の老齢厚生年金についても同様です。
【総報酬月額相当額】
(その月の標準報酬月額(※) )+(その月以前1年間の標準賞与額 の合計)÷12
(※)70歳以上の方は、厚生年金保険に加入しないため、標準報酬月額に相当する額、標準賞与額に相当する額となります。
・基本月額と総報酬月額相当額の合計額が50万円以下であれば、「全額支給」です。
・基本月額と総報酬月額相当額の合計額が50万円以下でなければ、「全額支給停止若しくは一部支給停止」となります。計算式は以下の通りです。
在職老齢年金制度による調整後の年金受給月額=基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-50万円)÷2
*厚生年金基金に加入していた期間がある場合は、厚生年金基金に加入しなかったと仮定して計算した老齢厚生年金の年金額をもとに、基本月額を算出します。
*年金受給月額がマイナスになる場合は、老齢厚生年金(加給年金額を含む)は全額支給停止となります。
*老齢基礎年金および繰下げ加算額は、全額支給となります。
*65歳以降に支給される経過的加算額は、全額支給となります。
*日本年金機構と共済組合等から複数の老齢厚生年金(退職共済年金)を受け取っている場合は、それぞれの老齢厚生年金の額に応じて按分した額をそれぞれ支給停止します。
支給停止期間および支給停止額の変更時期
基本月額と総報酬月額相当額の合計額が50万円を超えている期間が支給停止となります。
支給停止額は、総報酬月額相当額が変わった月または退職日等の翌月 に変更されます。
※退職して1カ月以内に再就職し、厚生年金保険に加入した場合を除きます。
在職老齢年金を受けている方の年金額改定
在職定時改定
基準日(9月1日)において被保険者である受給権者の老齢厚生年金について、毎年、基準日の属する月前の被保険者期間を算入し、基準日の属する月の翌月(10月)に年金額の再計算を行います。これを「在職定時改定」といいます。
毎年、基準日の属する月前の厚生年金保険加入期間を追加して、年金額の再計算が
行われます。
*在職定時改定の対象は、65歳以上70歳未満の方に限られます。
退職改定
厚生年金保険に加入しながら老齢厚生年金を受けている方が、退職して1カ月を経過した
ときは、退職した翌月分の年金額から見直されます。これを「退職改定」といいます。
年金額の全部または一部の支給停止がなくなり、全額支給されます。
年金額に反映されていない退職までの厚生年金保険加入期間を追加して、年金額の再計算が行われます。
※退職して1カ月以内に再就職し、厚生年金保険に加入したとき(転職など)は、退職改定は
行われず、引き続き在職老齢年金としての支払いが行われます。
※70歳到達時も同様に、70歳に到達した翌月分の年金額から見直されます。
(厚生年金保険は、原則70歳に達するまでの加入となります。)
※70歳以上の期間は、厚生年金保険に加入していないため、年金額の計算には反映しません。
※在職定時改定または退職改定により厚生年金保険の加入期間が20年以上になると、加給年金
額や振替加算が支給(または停止)される場合があります。