海外在住者の年金受け取り額は、下記の通りではありません。個別具体的なお話になりますので詳細は当所までお問い合わせください。
【2024年10月12日】
*年金額等は、令和6年度の金額です。
老齢基礎年金
20歳から60歳になるまでの40年間の保険料をすべて納めると、満額の老齢基礎年金を受け取ることができます。
年金額(満額)= 年額816,000円(月額68,000円)(※)
※ 昭和31年4月1日以前に生まれた方は、年額813,700円(月額67,808円)
老齢基礎年金の計算式
816,000円 ×{(保険料納付済月数)+(全額免除月数×1/2)+(4分の1納付月数×5/8)+(半額納付月数×3/4)+(4分の3納付月数×7/8)}÷40年(加入可能年数) × 12月
*国民年金保険料の一部免除(4分の3免除、半額免除、4分の1免除)の承認を受けた期間は、減額された保険料を納めていない場合、未納期間扱いとなります。そのため、上記計算式においては、それぞれ 4分の3免除⇒4分の1納付、半額免除⇒半額納付、4分の1免除⇒4分の3納付 と表記しています。
*平成21年3月分までの免除期間については、全額免除は1/3、4分の1納付は1/2、半額納付は2/3、4分の3納付は5/6で、それぞれ計算します。
*免除等期間について、あとから保険料を追納している期間は、保険料納付済期間に含みます。
(学生納付特例、納付猶予の期間は、保険料を追納していない場合、年金額には反映されません。)
*20歳から60歳になるまでの第2号被保険者および第3号被保険者の期間も、保険料納付済期間に含みます。
*1円未満は四捨五入します。
付加年金について
国民年金の付加保険料を納めた期間がある場合は、右記の額が老齢基礎年金(年額)に上乗せされます。
200円×付加保険料納付済月数
年金額を増やしたい、満額に近づけたいとお考えの方は
強制加入被保険者でない海外在住の方、60歳から65歳になるまでの方(第2号被保険者を除く)は国民年金に任意加入して納付することにより、満額の年金に近づけることができます。
老齢厚生年金
老齢厚生年金の年金額は、厚生年金保険に加入していた時の報酬額や、加入期間等に応じて計算されます。
計算式は以下のとおりです。
老齢厚生年金(報酬比例部分)の計算式
報酬比例部分※1= A + B
A:平成15年3月以前の加入期間
平均標準報酬月額(※2) × 7.125(※4) ÷ 1000 × 平成15年3月までの加入期間の月数
B:平成15年4月以降の加入期間
平均標準報酬額 (※3) × 5.481(※4) ÷ 1000 × 平成15年4月以降の加入期間の月数
※1 共済組合加入期間を有する方の報酬比例部分の年金額については、各共済加入期間の平均報酬(月)額と加入期間 の月数に応じた額と、その他の加入期間の平均報酬(月)額と加入期間の月数に応じた額をそれぞれ計算します。
※2 平均標準報酬月額………平成15年3月以前の加入期間について、計算の基礎となる各月の標準報酬月額(過去の標準報酬月額に再評価率を乗じて、現在の価値に再評価している額)の総額を、平成15年3月以前の加入期間で割って得た額です。
※3 平均標準報酬額…………平成15年4月以降の加入期間について、計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額(過去の標準報酬月額と標準賞与額に再評価率を乗じて、現在の価値に再評価している額)の総額を、平成15年4月以降の加入期間で割って得た額です。
※4 昭和21年4月1日以前に生まれた方については、給付乗率が異なります。
経過的加算額とは
特別支給の老齢厚生年金を受け取っていた方が65歳から受け取る老齢基礎年金は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分にかえて受け取ることになりますが、当面は、定額部分のほうが老齢基礎年金よりも高額になります。
そこで、差額分の年金額を補うため、「経過的加算額」が支給されます。
経過的加算額は、定額部分に該当する額から、厚生年金保険に加入していた期間について受け取れる老齢基礎年金の額を差し引いた額となります。
経過的加算額 = 定額部分 (※)に相当する額 - 厚生年金保険に加入していた期間について受け取れる老齢基礎年金の額
(※)昭和21年4月1日以前に生まれた方等は、定額部分の計算式の給付乗率および被保険者期間の上限月数が異なります。
特別支給の老齢厚生年金
60歳台前半の老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金)は、生年月日等に応じて、報酬比例部分が受給できます。また、長期加入者の方・障害の状態にある方等は、定額部分も受給できます。
報酬比例部分 + 定額部分 = 特別支給の老齢厚生年金
報酬比例部分の計算式
老齢厚生年金の報酬比例部分と同じ計算式です。
定額部分の計算式
加入期間の長さ等に応じて決まります。
定額部分 = 1,701円(※) × 1.000 × 被保険者期間の月
(※)※昭和31年4月1日以前に生まれた方は、1,696円となります。
長期加入者の方・障害の状態にある方等の受給開始年齢の特例について
昭和24年(女性は昭和29年)4月2日以降に生まれた方でも、次のいずれかに該当する場合は、特例として、本来の受給開始年齢から報酬比例部分と定額部分を合わせた特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができます。
① 厚生年金保険の加入期間が44年以上の長期加入者の方。(厚生年金保険に加入中の場合を除く。)
*複数の種類の厚生年金期間(一般の厚生年金期間や、公務員共済組合で加入している厚生年金期間など)に加入していた場合は、それぞれの種類の期間を合算することなく、1つの種類単独で44年以上の期間が必要になります。
② 障害の状態(障害厚生年金の1級から3級に該当する障害の程度)にあることを申し出た方。(厚生年金保険に加入中の場合を除く。)
*申出月の翌月分から特例受給開始となります。また、障害年金を受給中の方については、本来の受給開始年齢にさかのぼって特例受給開始となります。
③ 厚生年金保険の加入期間のうち、坑内員または船員であった期間が15年以上ある方。
*昭和 41年4月1日以前に生まれた方が対象となります。なお、受給開始年齢は女性の場合と同じです。
*特例に該当した翌月分から定額部分が支給されます。
加給年金額と振替加算
加給年金額
厚生年金保険と共済組合等の被保険者期間を合わせて20年 以上ある方が、65歳到達時点(または定額部分の支給が開始した時点)で、その方に生計を維持されている下記の配偶者または子がいるときには「加給年金額」が加算されます。
65歳到達後(または定額部分支給開始年齢に到達した後)、被保険者期間が20年(※1) 以上となった場合は、在職定時改定時または退職改定時に生計を維持されている下記の配偶者または子がいるときに加算されます。この場合、加給年金額を加算するためには、「老齢厚生年金・退職共済年金加給年金額加算開始事由該当届」の提出が必要です。
(※1)中高齢の資格期間の短縮の特例を受ける方は、厚生年金保険(一般)の被保険者期間が15~19年。
(令和6年度)
対象者 | 年額 |
配偶者 | 234,800円 ※2 |
1人目・2人目の子 | 各 234,800円 |
3人目以降の子 | 各 78,300円 |
(例:昭和18年4月2日以降に生まれた方の場合、加給年金額は特別加算と合わせて408,100円となります。)
【配偶者の要件】
65歳未満であること(大正15年4月1日以前に生まれた配偶者には年齢制限はありません)
【子の要件】
18歳になった年度の3月31日までの間の子、または20歳未満で障害年金の障害等級1級・2級の障害の状態にある子
※配偶者が老齢(退職)年金(被保険者期間が20年以上、または中高齢の特例に該当する場合に限る)の受給権を有するときや、障害年金を受け取る間は、加給年金額は支給停止されます。
このとき、「老齢・障害給付加給年金額支給停止事由該当届」の提出が必要となる場合があります。
振替加算
配偶者の老齢厚生年金や障害厚生年金に「加給年金額」が加算されている場合、その対象になっているご本人が65歳になると、配偶者の加給年金の支給が終了します。このとき、ご本人(年金を受ける方)が老齢基礎年金を受け取る場合、配偶者によって生計を維持されており、下記の要件をすべて満たすと、ご本人の老齢基礎年金の額に加算がつきます。これを「振替加算」といいます。
【振替加算を受ける方の要件】
① 生年月日が「大正15年4月2日~昭和41年4月1日」の間であること。
② ご本人が老齢基礎年金のほかに、老齢厚生年金や退職共済年金を受けている場合は、厚生年金保険と共済組合等の加入期間の合計が20年(※3)未満であること。
*振替加算の額は、大正15年4月2日から昭和2年4月1日生まれの方については配偶者加給年金と同額で、それ以降年齢が若くなるごとに減額されます。
(令和6年度)
ご本人の生年月日 | 年 額 |
大正15年4月2日 ~ 昭和 2年4月1日 | 234,100円 |
~ | ~ |
昭和31年4月2日 ~ 〃 32年4月1日 | 46,960円 |
〃 32年4月2日 ~ 〃 33年4月1日 | 40,620円 |
〃 33年4月2日 ~ 〃 34年4月1日 | 34,516円 |
〃 34年4月2日 ~ 〃 35年4月1日 | 28,176円 |
〃 36年4月1日 ~ 〃 36年4月1日 | 21,836円 |
〃 36年4月2日 ~ 〃 41年4月1日 | 15,732円 |
ご本人が65歳になった後に、配偶者が以下に該当する場合は、「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」の提出が必要です。
・厚生年金保険または共済組合等の老齢(退職)年金、または障害年金(1,2級)を受け取るようになったとき。
・退職改定または在職定時改定によって、受け取っている老齢(退職)年金の計算の基礎となる厚生年金保険と共済組合等の加入期間の合計が20年(※3) 以上になったとき。
※3 中高齢の資格期間の短縮の特例を受ける方は、厚生年金保険(一般)の被保険者期間が15~19年。