【2024年10月8日更新】

老齢年金の受け取りの場合

 移住されている国で収入がある場合でもご自身の日本の老齢年金の受給には影響を及ぼしませんので、居住国でどれだけ収入があっても日本の老齢年金が減額されるということはありません。  ただし、海外に在住されていても日本の厚生年金に加入されている場合は厚生年金の標準報酬月額によって厚生年金部分に支給停止がなされることがあります。

 一方、老齢年金に加算される加給金や振替加算は、配偶者の年収要件がありますので、配偶者は日本円にして年収850万円未満の方でなければこれらを受給できません。年収850万円には一時的な収入は含まれません。また、おおむね5年以内にその継続的な収入がなくなることが認められる場合は受給できます。

遺族年金の受け取りの場合

 遺族年金の受給には多少影響がある可能性があります。遺族年金の受給の要件には受給できる遺族の範囲(遺族基礎年金であれば「子のある配偶者」または「子」、遺族厚生年金であれば1.「子のある配偶者」2.「子(18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にあるかた。)」3.「子のない配偶者」4.「父母」5.「孫(18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にあるかた)」6.「祖父母」)であることとその遺族の収入がある一定以内(日本円で年収850万円未満)であることです。在留国や日本からを含めすべての収入がこの金額を超えてくるようであれば遺族年金の受給はできません。ただし相続によって一時的に不動産収入があった等一時的な収入で継続的な収入として認められない場合や、おおむね5年以内にその継続的な収入がなくなることが認めれる場合は受給できます。この収入の確認は毎年行われるものではなく請求時の一回限りです。

障害年金の受け取りの場合

 障害年金には障害基礎年金と障害厚生年金がありますが、本人の収入によって受給額が減額されるのは生まれつきの障害や初診日が20歳前にある傷病によって受給される障害基礎年金のみです。これ以外では本人の収入がいくらあっても年金額が減額されるということはありません。(この年金の受給のための収入の確認は毎年行われます。)ただし、20歳前に初診日のある障害年金は日本に居住する間でなければ受け取ることができません。海外におられる間は届出をして受給を停止することになります。

 障害基礎年金には生計同一の子(18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある方)がいれば加算がつきますが、この子にも日本円にして年収850万円未満であることの要件があります。

 障害厚生年金の場合は1級か2級であれば、上記で述べました「子」のほかに「配偶者」にも加給金が付きます。いずれも生計同一であり、年収850万円未満であることが受給の要件です。